理事の大植と申します。
当協議会に不動産の専門家として携わっていますが、具体的実例の紹介は他の理事にお任せするとして、私の発表はここ数年学んだ事柄で自分自身、なるほどと腑に落ちた事柄についてご披露していきたいと思います。
今回もそうですが、その殆どは易経研究家の「竹村亞希子先生」から教えて頂いた内容が中心になる予定です。
早速ですが、『観』の漢字の意味は①みる、つまびらかにみる、みきわめる
②しめす、あらわす、あきらかにする等(白川 静「字通」より)ですが、
対比する漢字として見学の「見」との違いをみてみると、とっても判り易くなります。
観=目にみえないものをみる力を備えた状態を表す。
見=目にみえるものだけをみる力を表す。
「見」は、目にみえる現象(表層)だけを見ているのに対して、
「観」は、形のないもの、目にみえない潜象(現象に現れていないもの)を察する力を示しています。
氷山で例えると、海面上に現れている部分(現象、3%位と言われたりしています)をみる(見のみかた)と、海面下にみえないけれど存在する部分(潜象、残りの97%)をみる力(観のみかた)の違いです。
小学生、中学生の旅行は、目に見える現象だけを見る段階なので「見学旅行」??
そこで「観」の字の使われ方をみてみると、
・観自在菩薩
・観察
・観相
・内観法
・止観
見えないものをみる力を示している漢字としてちゃんと使われています。
又、「易経」(時の専門書で64の物語を中心に構成されている中国の古典)の
「観」と言う物語の中に「観光」と言う言葉の出典になった「国の光を観る」との表現が出てきます。
紀元前数千年前に、「国の光」=その国で生活する人々の目にみえる生活振りもさることながら、健やかに暮らしているのか?苦しい生活態度か等の内面の心の有り様を観て、その国と友好的に付き合うか、攻め滅ぼすかの判断(直観力、洞察力)をした様です。
漢字の意味って深いですよね!!
家族信託のコンサルティング、相続の相談に当たっての心構え(これだけに限りませんが)としても、大切な考え方を示唆している教えと思い、取り上げてみました。
ご参考にして頂ければ幸いです。
大植隆
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