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北海道札幌市で税理士をしております小島匡彦です。
今回は、家族信託で贈与税が発生する場合の対応方法についてスポットを当て、なるべく分かりやすく解説して行きたいと思います。
【家族信託で贈与税が発生する場合とは】
委託者と受益者が同一である場合を自益信託といいます。自益信託の場合、価値の移転は無い為、課税関係は生じません。他方委託者と受益者が異なる場合を他益信託といいます。他益信託の場合、価値の移転が委託者から受益者に移転するため、課税関係が生じることとなります。適正な対価の負担をせず信託の受益者となった場合、贈与税が生じます。
信託の設計する場合、贈与税を発生させたほうが家族の想いを実現できるケースがあります。その場合、対応方法によって贈与税額に大きく違いがでるため、慎重に検討しなければなりません。
【一般的な贈与税の計算方法】
一般的な贈与税の計算は、まず、その年の1月1日から12月31日までの1年間に贈与によりもらった財産の価額を合計します。続いて、その合計額から110万円を差引き、残りの金額に税率を乗じて税額を計算します。
例えば、70歳の父が40歳の子に2000万円を他益信託をする場合、一般的な贈与で計算すると、
(2000万円-110万円)×45%-265万円=5,855,000円!!
何も考えずに信託を設計した場合、多額の税金が発生する場合があるので、注意が必要です。
【もう一つの贈与税を検討してみよう】
実は、贈与税には、もう一つの計算方法があります。こちらを選択した場合、2500万円までは贈与税が発生しません。
先ほどと同じく、70歳の父が40歳の子に2000万円を他益信託をする場合、こちらの贈与で計算すると、
(2000万円-2000万円)=0円
これだけ聞くと夢のような制度ですが、贈与者と受贈者の条件や、メリット・デメリットもあるため、総合的な判断が必要となります。この制度についての具体的な内容については、次回お話したいと思います。
【まとめ】
信託の設計上、贈与税が発生する場合には、どちらの方法がよいか是非検討してみてください。贈与税や相続税を考慮せずに信託を設計した場合、思いもよらぬ税金が発生する場合があります。ぜひ、信託を設計する場合には、税金に詳しい専門家のアドバイスを受けてください。
小島匡彦
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