【現金を信託した場合、贈与税は大丈夫?ポイント解説致します!】


 

 ご訪問して頂き誠にありがとうございます。
北海道札幌市で税理士をしております小島匡彦です。
今週から弁護士・司法書士・行政書士・不動産鑑定士・税理士等、各専門化が各士業の視点から見た家族信託・民事信託についての記事を定期的に掲載して行きたいと思います。

 私は、主に「家族信託を利用した場合の贈与税・相続税」にスポットを当て、なるべく分かりやすく解説して行きたいと思います。

 

【3人家族で信託を考える事例】

 

 

 民事信託について相談にきた親子3名。将来のことを考え、現金3000万円を一人息子である翔さんに託したいとの事でした。英樹さんの財産は最終的にはすべて一人息子である翔さんが相続する予定です。家族の意見が一致すれば、受益者を今から翔さんにすることは可能でしょうか?

 

【何にも考えず3000万円の現金を信託すると贈与税が1000万円?!】

 受益者を今から翔さんにすることは可能です。ただし、土地3000万円に対する対価を払わない場合、贈与税が発生します。その額なんと1000万円強!!このような信託の設計は避けなければなりません。

 

 

【現金を信託する賢い対策】

 委託者と受益者が同一である場合を自益信託といいます。自益信託の場合、価値の移転は無い為、課税関係は生じません。他方委託者と受益者が異なる場合を他益信託といいます。他益信託の場合、価値の移転が委託者から受益者に移転するため、課税関係が生じることとなります。適正な対価の負担をせず信託の受益者となった場合、贈与税が生じます。
今回の事例では、受益者を翔さんとした場合、他益信託となり1000万円超の贈与税が発生してしまいます。特に問題がないのであれば、委託者である英樹さんを最初の受益者とした方が良いでしょう。

 

 

【まとめ】

 贈与税や相続税を考慮せずに信託を設計した場合、思いもよらぬ税金が発生する場合があります。ぜひ、信託を設計する場合には、税金に詳しい専門家のアドバイスを受けてください。 


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小島匡彦

小島匡彦

税理士法人FULLSUPPORT代表社員 マッチポイント㈱代表取締役 一般社団法人中小企業信託アドバイザー協議会理事 その他医療法人、一般法人を中心に顧門、相談役数社 大学で専攻した確率論・統計学を活かし、卒業後数年間自動球遊機攻略並びに実践することで生計を立てる。並行して数学専門の家庭教師(MATcH.POINT)を立ち上げ。税理士事務所入社後勤務をしながら税理士資格取得。平成30年に法人化し、代表社員となる。 税理法人FULLSUPPORTのHPはこちら http://www.fullsupport.or.jp/

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